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  • 現代語訳

歳比五拾相成候処、男子出生不仕可及系絶哉与
              「腹」
歎入候折節、彼まつ妾(服)相儲跡目之考を以
家内江入養育仕申事御座候条、何とそ
御憐愍ニ被思召上、跡目被仰付被下度奉願候、
此旨宜様御取成奉頼候、以上、
寅  向裔氏前塩川與人嫡子比嘉村耕作筆者
十二月           下地尓也
 右願出之通彼まつ事、一人男子ニ而御座
候處、今更跡目之頼不申上残念至極歎入
申事御座候間、何とそ御憐愍被思召上、
跡目被仰付被下度奉願候、此旨宜様御取成
奉頼候、以上、
寅               父前
十二月           塩川與人
 右通相違無御座候間、願之筋被仰付
被下度奉願候、以上、
寅               一門志原
十二月           下地尓也
             同
              座喜味尓也

年齢も五十を迎えたが、男子が生まれず系絶え
となってしまうかと歎いていたが、まつが妾腹
として生まれて跡目とすべく家内に入れて養育
してきた。そこで、どうか御憐愍の情を示され
跡目としてくださるよう願うものである。この
件を取りなしてもらいたい。以上。
 寅     向裔氏前塩川与人嫡子比嘉村耕作筆者
  十二月          下地尓也
右の願い出の通り、まつは一人の男子であるの
で、いまごろになって跡目を申請するのは残念
至極ではあるが、(当人も)歎いているので、
どうか御憐愍の情を、跡目を許可してくださり
たく願うものである。この件を取りなしてもら
いたい。以上。
 寅             父は前
  十二月          塩川与人
 右の内容に間違いはないので、願い趣旨を許
 可してもらうたく願うものである。以上。
 寅             一門志原
  十二月          下地尓也
                同
               座喜味尓也
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