6ページ目
- 翻 刻
- 現代語訳
他所で嘲笑となるかもしれないと(考えて)、
諸事に(主君の)
過失を補うという思慮を
つねに絶やすことのないようにすべきであ
る。主君の意思のうち善事には
従い、悪しき事には正して(主君を)救う
ことで奉公すべき
である。そうであるから君臣上下の
交流が親密となる
一、佞人(心のよこしまな人)の御奉公の仕方は、
役職を得ない内は自身が
無功績であっても、自身も世の中を思い、
ただ任職をひたすら悩み
願うものである。また、幸運にもひとなみ
の役職に任じられても、奉公の
善悪をまったく気にせず、ただ自身の
利得だけを重視し、
與所之嘲笑□や成候半与諸事ニ
付而茂其過失を可奉補之思慮
曽而不絶候而御意之善事ハ
相随へ、悪敷事ハ正し救て御奉公
被仕候、然故君臣上下之交
睦敷相成申儀与御座候、
〔一佞〕人之御奉公仕候〔 〕
〔仕形者、未役儀〕不被仰付内ハ我〔身之〕
無切(功ヵ)成をも不顧、我茂人間と思て
唯役儀被仰付候一篇を患ひ
願ひ、又幸之通轉縁逢一端之
役儀も被仰付候得者、御奉公向之
善悪者曽而不附気を、唯我
身利得之一篇をのミ題目