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  • 現代語訳

一人間与申者惣而天性五常之徳義備居
 候故、上下万民才柄無柄共、皆以国用之
 積候、然故諸士を始、田舎・諸島末々之者迄
 一統御慈愛被思召、御政道被為入御念
 御事候處、間ニ不届之事を仕出、世間之妨
 罷成候故、終ニ及罪科者茂有之候、右通大切
 被思召候万民之内壱人茂罪科申付候儀者、
 痛敷 被思召御事候得共、一人を罰し
 万人御助之筋を以、無是非罪科被召行
 御事候、件之訳老若男女共得与致落着、
 各正道之勤入精候儀、国土之御奉公、又者
 各身之為可為題目事、
  以上十二ヶ条者、諸事之訳申述候、
 右教条
 御調部之上申渡候条、諸士并田舎・諸島
 末々迄具可奉拝承者也、

一、人間というものは、総じて天性五常の徳義
を備えている。それ故に上下万民は、才能のあ
る者や無い者であっても、皆、国用を果たして
いる。そうであるため、諸士をはじめ地方や諸
島の末々の者に至るまで、全て(国王の)御慈
愛のお考えに基づき、御政道(政治向き)に念
を入れてきた。ところが、時には不届きな事に
よって世間の妨げとなることから終には処罰さ
れるものもいる。右のように(国王が)大切に
考えている万民の中から一人でも処罰者を出す
ことは、痛ましもの(と国王は)お考えになる
ものであるが、一人を罰することで、
万民の助けとなる筋合いから仕方なく刑罰を行
うものだある。これらの理由を老若男女とも十
分に納得し、それぞれ正道の働きに精を入れる
ことが、国土の御奉公となり、また各自のため
にもなる重要なことである。
 以上の十二か条は、諸事の理由を申し述べた
ものである。
右、教条について、
御調べの上で通達するものであることから、諸
士や地方・諸島の末々の者に至るまで全て漏れ
なく拝承するようにせよ。
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