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  • 現代語訳

一本宗外戚共忌定之儀者、服制を以申渡
 置候通、聊無緩疎可相勤候、此儀致疎略
 候ハヽ、人情相廃、五倫之妨勿論之事候、
 上下共其心得可有之事、
一年回差当候時、霊前を題目存、何篇
 入精、其次客対之勤可有之候處、致勘違
 霊前より客対之勤、剰焼香人迄結構
           ○有之
 致馳走候付而事煩敷、霊前之取持存之
 儘不罷成、孝心之妨不宜事候、向後霊前を
 専一ニ致尊恭、其次客人之取持入念、其外
 焼香人之儀者、如何ニ茂軽致馳走、亭主方者
 孝心之勤入念候儀可為専要事、
一人間之挙動者、善悪共一気より差起候間、
 誰ニ而茂気持之修行題目候、気持之心懸
    ○何程
 無之者者雖為才智之人、時々気之為ニ
 被犯、或短(疑)心之過、或者私慾之乱、或
 者

一、本宗・外戚とも、その忌み定めについては、
服制によって通達しある通り、少しも過不足が
ないように勤めるべきである。このことをいい
加減したならば、人情は廃れ、五倫の妨げとな
ることは勿論のである。上の身分も下の身分の
者もともに、そのことを心得ること。
一、年回忌にさし当たった時は、霊前(故人)
の弔いを第一に考えて、いかにも精を入れ、そ
の次に客人の接待に勤めるべきである。ところ
が、勘違いをして、霊前よりも客人の接待を重
視して、その上さらに焼香人たちにも結構なご
馳走をしているため、煩わしいことになってい
る。(そのことは)霊前に対する扱いが
思うようにできず、孝心の妨げとなり宜しくな
い。今後は霊前を第一として尊崇し、その次ぎ
に客人の接待に心を配り、その他、焼香人へは
いかにも軽食で持てなし、亭主方(喪主)は孝
心の勤めに専念することが大事である。
一、人間の挙動(行動)は、善悪とも一気によ
って起こるものである。そのためどのような人
であっても気持ちの修行を重視すべきである。
気持ちの心がけがない者は、どれほど才知に長
けた者であっても、ときおり気によって犯され、
あるいは疑心の禍をまねき、あるいは私欲によ
って乱され、
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