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- 翻 刻
- 現代語訳
其了簡可為肝要事、
者
一元服・婚礼之儀、上下共分限次第如何ニ茂
者
重厚可相行候、就中婚礼之儀、夫婦之
縁組ニ而、人間題目之勤候、此儀致疎意
候得者、女人之節義軽々敷筋相成、甚以
者
不宜事候、女人節義之儀、常々正敷相勤候
所より父子之道茂正敷罷成事候、右之訳
人
往古之聖、別而肝要ニ被申置候、如何成
雖為下輩、女人節義之慎ハ、就中入念候儀
可為題目事、
一夫婦之儀、人間万事付而之根本候、此心得
を以如何ニも睦敷取合、何篇義理正道
致熟談、万事可入念候、若各存分相構、
夫婦之道不相立、誠以家道之妨
甚不宜事候、此儀得与致落着、万事
之計得入念、首尾能相勤候儀可為専一事
そのことを了簡(理解、了解)することが肝心
である。
一、元服と婚礼について、上下(上の身分も下
の身分も)ともに、分限(財力)に応じて、い
かにも重々しく執り行うべきである。取り分け
婚礼は、夫婦の縁組みであり、人間にとって題
目(重大、核心)の勤めである。このことを疎
かにすると女人の節義が軽々しいものとなり、
非常に宜しくない。女人の節義が常に正しく行
われることによって、父子の道も正しくなる。
このことは往古の聖人が特に肝要(重要)だと
述べている通りである。
どんなに下輩(下層の者)であっても女人の節
義の慎みは、特に念を入れることが題目(重大)
である。
一、夫婦というものは、人間の万事において根
本となるものである。このことを心得て(理解
して)、いかにも仲睦まじく付き合い、どのよう
なことも義理正道に熟談(十分に協議)して、
万事について念を入れるべきである。もしも(夫
婦)それぞれが自由気ままにしたならば、夫婦
の道は立たない。誠に(そのことは)家道(家
庭生活)の妨げとなり大変宜しくないことであ
る。この訳(道理)を十分に納得して、万事の
計え(企て、措置)には念を入れ、首尾よく(物
事がよくまとまるように)勤めることが専一(一
つのことに注力する)である。