7ページ目

ページ数:007(全25ページ中)
  • 翻 刻
  • 現代語訳

 附、諸島在番役并諸座役人・下代迄、件之
    心得を以百姓大切存、何篇正道相計得
    候儀、国土之御奉公可為肝要候、
一田舎・諸島役々之方者、弥以百姓大切ニ存、
 何篇
 入精上納方無滞相納させ、尤所中之風俗迄
 品能様ニ相糺、且又百姓熟談を以貯方入精、
 凶年差当候共百姓不痛様、兼々相計得、
 万端入念候儀、専各之職分ニ候、就中
 両先島之儀、遠海相隔其上前代より由緒も
 有之候付而、諸役人別而可入念所ニ候、右通
 田舎・諸島其役々之人随分入精相働
 不申者、百姓漸々及困窮終ニ各子孫も
 致衰微候儀、案中之積候、件之訳得与致
 落着、心力之程相勤候儀、可為専要事、
一百姓等耕作方之儀、国中何より題目
 成勤候、随分無油断入精上納方無滞

 付けたり、諸島(離れ島)の在番役や(王府)
諸座の役人、下代(下っ端役人)に至るまで、
このことを心得て百姓を大切に考え、何事にも
正道(公正)に対処することが、国土の御奉公
として重要である。
一、田舎(地方)や各島々の役人たちは、なお
一層、百姓を大切に考えて、何事にも精を入れ、
年貢の滞納が無いように納入させること。なお、
所中(当該地域)の風俗の品格が良くなるよう
に監督すること。また、百姓と熟談して貯蓄に
尽力させ、凶作の年に遭遇しても百姓が窮迫し
ないように、常々検討し、万事にわたって念を
入れることが、専ら【各役人の職分】である。
 取り分け、両先島(宮古・八重山)は、遠海
を隔てており、その上、前代から由緒(来歴)
があるため、諸役人は特に入念すべき地域であ
る。
 右のように、田舎や各島の役人たちは随分と
精を入れて働かなければ、百姓は次第に困窮し、
終にはその子孫が衰退することは予想される。
これらの道理を十分に理解し、心力を尽くして
(役人として)勤めることが、最も大事なことで
ある。
一、百姓等の農業については、国中において何よ
りも重要な勤めである。随分、油断することな
く精を入れ、年貢を滞納せず納入すること。
横にスクロールをして閲覧してください