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  • 現代語訳

無構、皆以 主君之御補助人ニ而候間、随分
 入精可相勤候、此心得を以何連も相働不申ハ、
 何分 被思召上候而茂思召之通御政道
 難被遊積候、国中相治候儀、縦令者船中之働
 同断ニ候、何連も其働不仕者、船者及難儀、
 国者及衰微候儀決定之事候、件之心得
 を以諸役人小共随分入精、尤銘々行跡迄
 正敷相勤候儀、可為専一事、
一御当国役座之儀、数少有之、諸士之儀、
 年増致繁栄候ニ付而、其内御奉公不仕方も
 余多可罷在候、然共士与申者、其筋目
 百姓与抜群相替候、右之訳を以常々忠義
 之心題目存、国土風俗之為何篇気を附、
 神妙ニ相勤候ハヽ是亦御奉公之筋不軽勤ニ候、
 何連茂存知之通風俗悪敷罷成候ハヽ、各
 子孫も悪敷相成候儀案中之事候、能々

役人は全て主君の補助人(助力者)であること
から、十分に精を入れて勤めるべきである。こ
のことを心得て全ての役人が働かなくては、ど
のように(国王の)お考えがあっても思うよう
に御政道を実行することは出来ないであろう。
国全体を統治することは、例えて言えば、船中
での働きと同じである。それぞれの役人が(担
当する役目)を果たさなくては、船は遭難し、
国が衰退することは必定(不可避)である。
 このことを心得(認識し)て、諸役人達は随
分と(役職に)尽力すること、さらに各役人は
(日常的に)正しい行為をすることも専一(重要)
なことである。
一、御当国(琉球)の役職について。その数は
少ない。諸士(士身分の者たち)は、年々増え
てきているため、その中には(王府への)御奉
公を果たせない者たちも多くでている。しかし
ながら、士というものは、その筋目(血筋、血統)
は百姓とは大いに異なる。
 この理由から常に忠義の心を第一に考え、国
土の風俗(風紀)のため、何事につけても留意
して、(人々が)感心するように務めたならば、
これも又、御奉公の筋としては大事な務めであ
る。
皆が承知しているように、風俗が悪くなると、
その子孫(の風俗)も悪くなることは当然のこ
とである。
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