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  • 現代語訳

 思召之通相達、御政法風俗迄漸々引改、
 今以上下万民安堵仕、目出度御世罷成
 候儀、誠以御国元之蒙 御厚恩、件之
 仕合冥加至極之御事候、右之次第前代之
 事ニ而無案内之方茂可有之候間、各為
 納得申達候、此儀得与得其意、老若
 男女共難有仕合可奉存事、
     之
一右通御国元御蔭を以何篇品能罷成、
 㝡早国中人居茂年増致繁栄候付而者、
 御政道弥以御精力之程不被遊候而不叶儀候、
 然者御政道之儀、 主君之御勤題目
 御座候得共、国中万事之儀御一人ニ而難被遊
 候ニ付而、往古之聖君も諸役段々被召立、
 何連茂之働を御頼、国土安穏之御政道
 為被遊御事候、御当国之儀も御奉公人者
 不及申、田舎・諸島之者迄役儀位階之大小

御政法や風俗も次第に引き改まって、今日にお
いては上下万民とも安堵する目出度い御世にな
っている。
 そのことは、誠に御国元の御厚恩によるもの
であり、このような仕合わせは、これ以上思い
もよらない幸いなことである。右のような成り
行きとなったのは、前代のことに属するため細
かい事情をよく知らない者もいると思われる。
そのため、それぞれの者が納得するよう通達す
るものである。この趣旨を十分に理解し、老若
男女とも皆、これ以上はない幸いなことと考え
るべきである。
一、右(第一条)のように御国元(薩摩)の
御陰によって、物資もあれこれと良くなり、
早くも国中の人口は年々増加してきた。このこ
とから御政道(政治)は、より一層、精力を尽
くさなければならない。そもそも御政道という
ものは、主君(国王)の御勤めにおいて重要な
ものであるが、国中全ての事を(国王)御一人
で行うことはできない。往古の聖君(中国の聖賢)
が役職(官吏)を色々と設置したのは、それぞ
れの働きによって国土安寧の御政道を行うため
である。
御当国(琉球)でも御奉公人(中央の役人、官吏)
は言うまでも無く、田舎(地方)や諸島(離島)
の者達も役職や位階(爵位)の高下に関係なく、
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