8ページ目

ページ数:008(全8ページ中)
  • 翻 刻
  • 現代語訳

「8
屋敷御帰られはせまい、これから直に、諸国語行に
出ろてあろ迄、はあ思ひもよらぬ諸行を致
        シテ
すことで御座る、◦思ひよらすのとんせや〳〵
小袖にがひら衣を着、刀にかいた此珠能を〳〵、
長刀にかいし、唐笠をかたけては、たにいちやう
よ〳〵、あんきやの増に出わつちは御座らぬか、わつ
〔欠〕、〳〵〳〵〳〵〳〵
(半丁白紙)

「8
「屋敷へ帰ることはできない。これからすぐに、諸国巡りの旅に出よう。」
「はあ、まさかこんな旅立ちをすることになるとは思いもしなかった。」
シテ
「思いがけないことになったものだなあ。」
「小袖をまとい、がんぎ(簡素な衣)を着て、刀に書かれたこの珠のようなものを持ち、長刀を差して、唐笠を肩にかけたら、もうすっかり旅の僧侶のようではないか。」
「まるで、安居(あんご)の増(修行僧)になってしまったようなものだな。ああ、ああ……。」
(半丁白紙)
横にスクロールをして閲覧してください