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「4
シテ アト シテ
◦さあ〳〵御しきやれ、心得ました。◦、屋参る
アト
程に是しや、さあ〳〵御つと通らしめ、はあ〳〵。
シテ アト シテ
◦それによろりと居よ、はあ。◦亭主〳〵、
亭主 シテ 亭主
となたて寄とて御座りまする。身共しや、はあ。
シテ
よう御出被成ました。◦けふは旅の出家を
亭主
同道したふとに、一はんのこしらへ、畏りました。
シテ 亭主
〔欠〕きれい〔欠〕しやうせ、心得ました。
亭主 シテ アト
〔欠〕はあ。◦御坊〳〵、はあ。
〔欠〕またよろりと御座れ、
シテ アト
〔欠〕に御座りまする。◦御坊、はあ。
シテ アト
◦是は大事なものしやなあ、左様て御座れまする。
シテ アト
◦たてゝおかう、よそ御座りませう
シテ アト シテ
◦御坊〳〵、はあ◦此柱は何本あ、三本御座れ
シテ アト シテ
まする。何三本ある、はあ◦身共の目には
五本も拾本ある、ゆうたさうな下におかう、
アト シテ アト
よう御座りませう。◦御坊 はあ。
「4
(シテ)
「さあさあ、席に着きなさい。」
(アト)
「承知しました。」
(シテ)
「茶屋へ着いたぞ。さあ、どうぞ通ってください。」
(アト)
「はい、はい。」
(シテ)
「そこにちゃんと座りなさい。」
(アト)
「はい。」
(シテ)
「亭主よ!」
(亭主)
「どなたでいらっしゃいますか?」
(シテ)
「私だ。」
(亭主)
「ああ、よくぞお越しくださいました。」
(シテ)
「今日は旅の僧を連れてきたので、一膳の料理を用意してくれ。」
(亭主)
「かしこまりました。」
(シテ)
「きれいに盛り付けるんだぞ。」
(亭主)
「心得ました。」
(シテ)
「おい、坊主よ。」
(アト)
「はい。」
(シテ)
「まあ、ゆっくり座れ。」
(亭主)
「ただいま準備しております。」
(シテ)
「坊主よ。」
(アト)
「はい。」
(シテ)
「これは大事なことだぞ。」
(アト)
「そのようでございますね。」
(シテ)
「立てておこう。」
(アト)
「それがよろしいでしょう。」
(シテ)
「おい、坊主よ。」
(アト)
「はい。」
(シテ)
「この柱は何本ある?」
(アト)
「三本ございます。」
(シテ)
「何? 三本だと?」
(アト)
「はい。」
(シテ)
「私の目には五本にも十本にも見えるぞ。まあ、言った通りにしておこう。」
(アト)
「それでよろしいでしょう。」
(シテ)
「おい、坊主よ。」
(アト)
「はい。」
