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「18
慈愛ニ而候女子を教には十歳之時より閨門と不出計
指紡織之法裁剪衣服飲食之道其外分格ニ
応て家業之書を可教候古語ニ女子無方便是
徳なり能言巧語不貴性便才に高を不貴只(倣を見せ消ち)
婦人倣之道理を知ことを要し其道理を教に
幼時より驕慢すへからす性気和平に存心貞信に
語云容貌温恭柔順に起居出入謹厳に(以下三文字挿入)可教候公婆には
忤逆すへからす?夫をは欺凌へからす姑嫂
妯娌に不快すへからす媵妾奴婢を不可残刻人に
嫁て如右相行媳婦と做の正経を不失は父母之
家教を可顕候緞彼家中些少之紛争炒閙
有之候共只自己之女児を責成へしか様に
仕候はゝ誠に能教訓する之父母なり若不致教訓者は
人に嫁て舅姑忤逆し?夫を歎凌姑嫂
妯娌に不快し童婢を打擲し或気随ニ
挙止或は口腹を貪て女之職分を不勤争論
「18
女子を教育するには、十歳の頃から家の外へ出ることを控えさせ、糸を紡ぎ織る方法や、衣服の裁断、食事の作法などを教えるべきである。また、それぞれの身分に応じた家業に関する書物を学ばせるのがよい。
昔の言葉に「女子に才知がないことが徳である」とあるように、弁が立つことや巧みな話し方は尊ばれず、機転が利いたり才知が高かったりすることも重要視されない。ただ、婦人としての心得を理解することが大切であり、その道理を幼い頃から教えることが必要である。
幼少期から傲慢にならぬように育て、性格は穏やかで誠実に、心は貞節で信義を守るように導くべきである。言葉遣いは温和で、態度は恭しく、柔順であり、日常の立ち居振る舞いは慎み深くあるように教育することが大切である。
義理の父母(舅・姑)に逆らってはならず、夫を欺いたり侮ったりしてはならない。義理の姉妹(夫の姉妹や兄嫁)と不仲になってはならず、召使いや妾、使用人を酷使してはならない。
嫁いだ後は、上記のようなことを実践し、良き妻としての正しい道を守ることで、実家での教育の成果を示すことになる。たとえ嫁ぎ先の家で些細な争いや口論があったとしても、自分の娘をきちんと戒め、正しく導くことこそが、本当に良い教育を施した親であると言える。
もし教育を怠れば、嫁いだ先で義理の両親に逆らい、夫を困らせ、義理の姉妹とも不仲になり、召使いを殴ったり罵ったりするような振る舞いをすることになる。また、自分勝手に行動し、貪欲に飲食を求め、女性としての務めを怠ることにもなりかねない。家庭内で争いが絶えず、家族との和が乱れることにもつながるだろう
