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「6
又己か威勢を頼て卿隣を致作賎旧好之思情
をも不念親友の義をも不顧己か快言はを図
人情を失候者有之候又人米銭を借て乞とも
不還友て讐を成て良心を昧候者有之候嗟平
習俗之懐如此に至る其始を尋候に我身欲心より
発て常に己を是とし人を非とし己か利而己
量て人之害を不省天性人情に相背候人ニ而候
元より我身之益を思は世の人おしなへて
同し心に而候然に為人仁愛を不知者は禽獣に
不異何事も人之上を椎量(てを見せ消ち)して我身を先立へからす
只我も人も能様(にもを見せ消ち)にと可得候然時は和軽不為之理
可有候人和睦を非不思ニは只是理を見候事
(有を見せ消ち)不明故候和睦不為者病根大体三ツ有之候
一には人を損て己をりする者云二ニは強を争勝を
好候者三には自尊大にして眼前無人とする者
なり彼人を損て己を利する者は只己快意を(団てを見せ消ち)図て

「6
また、自分の権力や勢いを頼りにして、近隣の人々を見下し、昔からの親しい関係を顧みず、友情の義理も考えず、ただ自分の気に入るように振る舞い、人の心を失う者がいる。
また、人から米や金を借りても、それを返さず、友人を敵に変えてしまい、良心を失う者もいる。
ああ、世の中の風習がここまで悪くなってしまったとは……。その原因を探ると、それはすべて「自分の欲望」から始まっている。
常に自分だけが正しいと思い込み、他人を間違っていると決めつける。自分の利益だけを考え、他人の不利益については省みない。こうした行いは、人間の本性や人情に反するものである。
そもそも、自分の利益を考えるのは、誰しも同じ心を持っているものだ。しかし、他人に対して「仁愛の心」を持たない者は、禽獣(けもの)と変わらない。
何事も、自分だけが得をしようとせず、「自分も他人も共によくあろう」 と考えるべきである。
そうすれば、自然と争いごとは減り、世の中は和やかになっていく。人々が和睦(仲良くすること)を考えないのは、単に「道理をよく理解していないから」にすぎない。
和睦しない者には、大きく分けて次の三つの原因がある。
他人を犠牲にして、自分だけ得をしようとする者
力を振るって、争いに勝とうとすることを好む者
自分を過大評価し、周りの人を見下す者
このうち、「他人を犠牲にして、自分だけ得をしようとする者」 は、
ただ自分の快楽や利益だけを考えて行動するものである
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