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- 翻 刻
- 現代語訳
「5
人や肝しちと浮世渡る
や やしやるものともて人よ欺な
明しや身の上も定苦しや
ま 増るちやさともて謗じらいや
人をとりなとよる我肝恨れ
け 怪我の源や酒と色好み
朝夕思つめれ按司も下司も
ふ 佛神てすむ肝の上のさはき
誠より外に神やないさめ
こ 金差おてむ銀さちおても
肝の持なしも鋳さらめ
え 得てのものともて自満共するな
人のあさ笑や毒となよる
て 手墨勝れても藝能さ勝てむ
「5
人は心の持ちようで世間を渡るのだ。
や たとえ貧しくなってしまっても、人を欺くことだけはするな。
明日の自分がどうなっているのかは、誰も定める事ができないからです。
ま 自分よりも他人が勝っていると、他人を中傷するな。
そのように考えることこそ、自分の卑しい心を恨みなさい。
け 酒と好色は人生の過ちの源である。
常に心を律しなさい。自分が高位や下位の身分であっても。
ふ 神や仏は心を裁くものである。
したがって良い行いをする真心を「神」と言っても過言ではないだろう。
こ 金の簪を挿しても、銀の簪を挿しても(高い身分になっても)
心の持ちようこそが人の飾りとなるのです。
え 得意なものであると言って自慢などするな。
自分よりできない人を笑うことは、自分の毒となるのです。
て 学問に秀でていたとしても、芸術に秀でていたとしても、
