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  • 現代語訳

     肝ときもさらめ世界の習や
     あ
三十六 一 遊ひたわふりの肝に染てからや
     ア
      異見寄す事も益やないさめ
     さ
三十七 一 栄ひ衰いや夏と冬こゝろ
     サ
      繰へし〳〵逃れくりしや
     き
三十八 一 肝のねのしめな麁相にしちからや
     キ
      手墨学文もあたとなよる
     ゆゆ    チリ
三十九 一 欲悪の事や塵ふとも〔欠〕な
     ユ
      ツレ
      塵積てからや山となよる
     め
四十  一 珍らしやるものむ肝に逆するな
     メ
      逆と人間や怪我の基ひ
     み
四十一 一 見馴聞馴れやおへらすに染よむ
     ミ
      麁相にある人の側に居るな
     し
四十二 一 子孫寄す事に油断とんするな
     シ

     一番重要なのは心であり、それがこの世の中の常識なのです。
     あ
三十六 一 遊ぶことが心に染みついてしまっては、
     ア
     人からの助言や教訓も自分のためになりません。
     さ
三十七 一 人生の栄華や衰えは、例えるなら四季のようで
     サ
     夏と冬が交互にやってくるようで逃れることはできません。
     き
三十八 一 自分の心を引き締める縄はおろそかにしてはいけない。
     キ
     それを緩めてはどんなに勉学に励んでもそれが無駄になるのです。
     ゆゆ
三十九 一 欲というものは悪で、少しも考えてはいけません。
     ユ
     ほんの少しのものでも積もれば山のようになり、逃れられなくなります。
     め
四十  一 普段と違うことは、珍しくても受け入れなさい。
     メ
     逆らうようなことがあれば、人生の過ちにつながるのです。
     み
四十一 一 見たり聞いたりすることで自然と覚えていくものです。
     ミ
     だからこそ学問などをしない人の側にいてはいけないのです。
     し
四十二 一 子孫への教育は少しも怠ることはいけません。
     シ
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