8ページ目
- 翻 刻
- 現代語訳
肝ときもさらめ世界の習や
あ
三十六 一 遊ひたわふりの肝に染てからや
ア
異見寄す事も益やないさめ
さ
三十七 一 栄ひ衰いや夏と冬こゝろ
サ
繰へし〳〵逃れくりしや
き
三十八 一 肝のねのしめな麁相にしちからや
キ
手墨学文もあたとなよる
ゆゆ チリ
三十九 一 欲悪の事や塵ふとも〔欠〕な
ユ
ツレ
塵積てからや山となよる
め
四十 一 珍らしやるものむ肝に逆するな
メ
逆と人間や怪我の基ひ
み
四十一 一 見馴聞馴れやおへらすに染よむ
ミ
麁相にある人の側に居るな
し
四十二 一 子孫寄す事に油断とんするな
シ
一番重要なのは心であり、それがこの世の中の常識なのです。
あ
三十六 一 遊ぶことが心に染みついてしまっては、
ア
人からの助言や教訓も自分のためになりません。
さ
三十七 一 人生の栄華や衰えは、例えるなら四季のようで
サ
夏と冬が交互にやってくるようで逃れることはできません。
き
三十八 一 自分の心を引き締める縄はおろそかにしてはいけない。
キ
それを緩めてはどんなに勉学に励んでもそれが無駄になるのです。
ゆゆ
三十九 一 欲というものは悪で、少しも考えてはいけません。
ユ
ほんの少しのものでも積もれば山のようになり、逃れられなくなります。
め
四十 一 普段と違うことは、珍しくても受け入れなさい。
メ
逆らうようなことがあれば、人生の過ちにつながるのです。
み
四十一 一 見たり聞いたりすることで自然と覚えていくものです。
ミ
だからこそ学問などをしない人の側にいてはいけないのです。
し
四十二 一 子孫への教育は少しも怠ることはいけません。
シ