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  • 現代語訳

  
     人や肝しちと浮世渡たる
     や
二十九 一 やしやるこのともて人よあざもくな
     ヤ
      明日や身の上も定めくれしや
     ま
三十○ 一 増るちやさともて人そしらゆへや
     マ         人そしやするな
      人をとりなとる我肝らめれ
     け
三十壱 一 怪我のみなもとや酒と色好み
     ケ
      朝夕思めつめれ按司も下司〔欠〕
     ふ    どさばき
三十弐 一 佛神てすむ肝の上のさはき
     フ
      誠より外に神やないさめ
     こがね
三十三 一 金さちをてもなんちやさちをても
     コ
      肝のもてなしやとかされさらめ
     え
三十四 一 得手のものともて自満とんするな
     エ
      人のあざ笑や毒となよる
     て
三十五 一 手墨勝れても藝能さ勝れても
     テ

     人は心の持ちようでしか世間を渡ることができない。
      や
二十九 一 たとえ貧しくなってしまっても、人を欺くことだけはするな。
      ヤ
     明日の自分がどうなっているのかは、誰も定める事ができないからです。
      ま
三十○ 一 自分よりも他人が勝っていると、他人を中傷するな。
      マ        
     そのように考えることこそ、自分の卑しい心を責めなさい。
      け
三十壱 一 酒と好色は人生の過ちの基である。
      ケ
      常に心を律しなさい。自分がどのような身分となっても。
      ふ    
三十弐 一 神や仏は心を裁くものである。
      フ
     したがって良い行いをする真心を「神」と言っても過言ではないだろう。
      こがね
三十三 一 金や銀の簪を挿す、高い身分になっても
      コ
     心の持ちようこそが人の飾りとなるのです。
      え
三十四 一 得意なものであると言って自慢などするな。
      エ
     自分よりできない人を笑うことは、自分の毒となるのです。
      て
三十五 一 学問や芸術に秀でていたとしても、
      テ
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