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- 現代語訳
重さおんたさや肝とやよる
ら
二十二 一 楽に素立ちふすや苦れしやしゆる基
ラ
物よ思めつめて浮世渡れ
む
二十三 一 胸にある鏡朝夕思めつめれ
ム チリ
塵つもてからやみかけくれしや
う
二十四 一 惜しちうしまらん玉の緒の命
ウ
若さたるかけて麁相に持な
ゐ
二十五 一 ゐの春になても人の花咲ふめ
井
年と寄ていきゆる油断するな
乃の ら
二十六 一 能羽ある人も肝たかぬものや
ノ
花の咲出らぬ枯木こゝろ
お
二十七 一 おとさはしきやさや生れ付ともれ
オ
油断より外に科やないさめ
く
二十八 一 雲や風たよて天のはていきゆひ
ク
とても重要なものは心の持ちようなのです。
ら
二十二 一 楽をして成長するのは後々苦しいことになるものである
ラ
常に心を磨くことで世間を渡りなさい。
む
二十三 一 心の中の鏡は常に磨いておきなさい。
ム チリ
塵やほこりが積もってからは磨き直しが難しくなります。
う
二十四 一 ひとつだけの命は惜しんでも惜しむことができない。
ウ
若さだけを頼りにして、うっかりと散らしてはいけません。
ゐ
二十五 一 同じ春がめぐってきても、人は若々しく同じ花を咲かせない。
井
年は常に取っていくものであるので、しっかりと油断をするな。
乃の ら
二十六 一 芸術や学問に才がある者で心が修養されていない者は
ノ
まるで花の咲かない枯木のようなものである。
お
二十七 一 劣っていたり賢いというのは生まれつきだと思え。
オ
そのようなことよりも勉学に励まず、自身が油断をすることの方が罪である。
く
二十八 一 雲は風を頼りにして天の果てまでも飛んでいける。
ク