3ページ目
- 翻 刻
- 現代語訳
●(阝+詹)園伊呂波哥
い
壱 一 意見寄す事や身の上の宝
イ
耳の根をあけて肝よとめれ
ろ
弐 一 櫓楫定めてと舩もはらしゆよる
ロ
寸法はすさすな肝の手縄
は
三 一 恥よ思めつめれ朝夕物毎に
ハ
我肝おさめよるかなめともて
に
四 一 にくさある人もにくさとむするな
ニ
肝の道筋や廣くあけて
ほ ホタル
五 一 蛍火の影よ墨習てたいむす
ホ
油断さんものと沙汰や残る
ヒ
ヘヒタ
六 一 下手からと習て勝れいむしゆ
ヘタ
よる
及はらんともて思案するな
と
七 一 年の寄ててやり徒に居ゆる
●(阝+詹)園伊呂波哥
い
壱 一 意見や教訓は自身の大切な宝である。
イ
しっかりと聞いて心に留めおきなさい。
ろ
弐 一 船は櫓や舵をしっかりと使って進むものである
ロ
心の手綱の計算を誤るな
は
三 一 恥というものを常に考えていなさい。
ハ
自分の心を修養して、研鑽するものだと思って。
に
四 一 憎いと思った人物も、憎いと思ってはいけない
ニ
心の道筋は広く開けておきなさい。
ほ ホタル
五 一 ホタルの小さな明かりでさえも学問をすることができるのだ
ホ
しっかりと油断をしない者こそ、後世に名が残るのだ。
ヒ
ヘヒタ
六 一 下手だからこそ学び、優れた者になるのだ。
ヘタ
自分を「できない者」と考えるだけで先に進まないのは良くないことである。
と
七 一 年を取ったからといって、何もせずにむだに過ごしてはいけない。
ト