手水の縁(写本)

資料について

★この組踊作品は平敷屋朝敏の作と伝わっているが、研究者間でいくつか論があり、創作年代などが比定されていない。忠孝を説いた組踊の中で数少ない恋愛物の作品である。本作は「花城金松」「仲村渠真嘉戸」などの恋愛物の組踊および、近代以降に創作される沖縄芝居、琉球歌劇などに大きな影響を及ぼした名作である。首里王府の資料では、平敷屋朝敏の生きた1700 年代に上演された記録は見られず、同治5(1866)年の最後の冊封となった尚泰冊封における、那覇躍奉行の資料とみられる『丙寅冊封那覇演戯故事』に「手水佳偶契如日月」という「手水の縁」の漢訳が見られるため、この年には上演されたことがうかがえる作品である。
本資料は道光28 年の筆写であり、現存する「手水の縁」の資料の中で最古のものである。また、現在上演されることの多い『校註琉球戯曲集』所収の「手水の縁」と役名が異なる部分、詞章が異なる部分が見られるため、今後、研究の余地がある貴重な資料である。資料の後半部分が残欠となっているが、最終場面以外の詞章、歌詞が残されているため、極めて貴重な資料と言える。

資料詳細

資料名 手水の縁(写本)
カテゴリー 八月踊りの台本
ページ数 0ページ
資料コード 2-20
キーワード 歴史 年中行事 芸能
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資料目次

ページ 画像 内容(現代語訳)